「私と、結婚していただけませんか」
咲き初めの薔薇のように美しい少女は、非の打ち所がない優雅な所作でお辞儀をした。
「…つ、謹んでお断りしますっ」
悲鳴のように叫んだのは、彼女から『結婚を申し込まれた』 男だった。
脱兎のごとき速さで去った後ろ姿に、少女は摘まんでいたドレスを下ろした。
「あらまぁ…」
「……姫」
「なんでしょう?」
「あなたにはれっきとした婚約者がいると思うんですけどね、ここに」
「あら、忘れていませんよ?
ただ、何事も選択肢が多いほうがいいじゃないですか
ね?」
「それを、俺に同意しろって言うんですか?!」
青年は、もう何度繰り返したかわからない問答に頭を抱えた。
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昨今、「平凡な主人公がモテモテな話」が多いような気がするので、逆方向にギアをむけた話を書いてみたいなぁ、と。
(子供の頃から、他人と違うことをしたがる天邪鬼でしたw)
この話(仮題 無法王女)は、
☆婚約者がいるのに、自ら婚活(笑)する王女。
☆馬術と武術も得意で、侍女たちを自分専属の遊撃隊として組織している(レッドクリフの尚香のイメージ)。
☆外観は非の打ち所がないのに、変わり者のために悉く振られる。
って、いうのをやりたいなーと。
中華風にしたいところですが、自分の知識がなさ過ぎるのでそれは無理かな。
よくて、なんちゃって洋風国取り物語ですねー。
王族の女性視点で「結婚と恋愛」を取り上げているラノベ作品といえば、小田菜摘先生の『そして花嫁は恋を知る』シリーズの印象が強いです。
しかして、自分はなにを書きたいか?
キャラクター設定をするのは好きなんだけど、肝心の『話』がまとまらないのですよねぇ…。
長編オリジナルが書けないのは、これが一番の原因です(´・_・`)。
二次創作は、オリジナルに対して『自分ならこうする』的な話作りになるので、わりと楽なんですよね(笑)。
さて、与太話にお付き合いいただきましてありがとうございました。
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主人公
…尚武の国の王女。
…婚約者がいるが、常に『新しい結婚相手』 を探している変わり者。
…侍女たちを、自分の軍隊として組織し、指揮する。
(ただし正規軍ではなく、遊撃隊的な位置付け)
…本人も、馬術および武術に長ける。
…身につけているものおよび身の周りにあるものは、なんでも即席の武器にする特技あり。
(リボンで剣の軌道を変えたり、紙を特殊な形に折ることで硬化させたり、投げ付けることで目くらましにしたり)
…王位継承権第三位。
(そのため、外国に嫁がない)
婚約者
…同盟国の王子。
…主人公の突飛な行動に、常に振り回されている。
…同盟維持のために、婿入り予定。
(ただし、将来的にも国王にはならない。彼はあくまでも、王女の配偶者扱い)
…主人公より、歳上。
…軍師としての才覚あり。
侍女たち
…馬術および槍術に長けている。
…動きやすいが、見た目には変哲がない特別製のドレスを着用している。
(主人公の服も同様)
…主人公のような、『身の回りの品を武器にする』 スキルはない。(基本的に、『戦略上の戦闘』をするための武術を身につけている)
☆主人公は、単身でどこでも乗り込んでいく&他者からの襲撃の可能性を考慮している。
☆逆に侍女たちは、『世間話の中から、情報を収集する、または拡散する』 役目を担っている。
王太子
…主人公の兄。
…妻一人、子供無し。
…病弱。
…
のほほん。
次兄
…主人公の次兄。
…独身。
…軍の最高責任者。
…主人公に、馬術と武術を教えた。
…無骨者。
…ライバル姫に惚れられているが、まったく気がついていない。
師匠
…第二王子が率いる軍の軍人。
…色っぽい女性。
…主人公に体術を教えた。
…細身の片手剣を使った、電光石火の剣術が得意。
ライバル姫
…国内の有力貴族の娘。
…年が近いため、様々な分野で主人公をライバル扱いしてくる。
…商才があるため、必要に応じて主人公からの依頼に応えることがある。
(ライバル扱いは、『個人の資質』によるもの。国益に於いては、非常に優秀な協力者)
…馬術と弓術に長ける。
☆尚武の国であり、女性の軍人は珍しくない。
上流階級の女性でも、馬術を得意とする者は多い。
ただし、実際に戦闘出来る良家の子女は稀。
☆王位継承権
…男女関係なく、産まれた順。
…そのため、王女が他国に嫁ぐことはまずない。
現王
…兄妹の母。
…最初の旦那は病弱だったため、早世した。
…現在は、二人目の旦那(次兄と主人公の父親)
…自分の体験を元に、結婚相手はよく見極めるように子供たちに言い含めている。
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